映画 ストロベリーショートケイクス(R15+)の男目線の感想。

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池脇千鶴 中村優子 中越典子 岩瀬塔子 4人の女性の日常を切り取ったR15+映画 『ストロベリーショートケイクス』(原作・魚喃キリコ『strawberry shortcakes』)を見たので男目線でレビューしたいと思います。2006年9月23日公開 矢崎仁司監督

自分は男性ですが、「女性たちのリアル」が描かれた映画だと感じました。もちろんすべての女性がこうでは無いと思います。意図的に男性っぽく描かれている部分も多いかも。

4者4様の女性観 別々の女性たちの日常と、繋がり

里子(池脇千鶴)と秋代(中村優子)は同じデリヘル店で働き、面識がある。
ちひろ(中越典子)と塔子(岩瀬塔子)はルームメイトであるものの、お互いの事を良く思っていません。

塔子(岩瀬塔子)はちひろ(中越典子)のことを、「男に依存する女」、ちひろ(中越典子)は塔子の事を「人を見下す偉そうな女」といった風に感じているようです。

里子・秋代と、ちひろ・塔子は直接ストーリーの中で交わることはありません。

濡れ場もあるのですが、綺麗・セクシーと感じた場面は秋代(中村優子)が思いを寄せる友人・菊地 (安藤政信)と結ばれるシーンくらいでしょうか。

その他の濡れ場はむしろ嫌悪感を全面に押し出した演出でした。秋代(中村優子)の客とのシーン、ちひろが寂しいだけで一緒にいた男とのシーンなど。

その他 キャスト
菊地 – 安藤政信
永井 – 加瀬亮
森尾店長 ‐ 村杉蝉之介

スタッフ
原作 – 魚喃キリコ『strawberry shortcakes』
監督 – 矢崎仁司
脚本 – 狗飼恭子
『三月のライオン』の矢崎仁司監督。原作者・魚喃キリコが彼の大ファンということで、今回の映画化が実現したそうです。

里子(池脇千鶴)

冒頭で派手な失恋をし、「恋」に憧れる明るい女性。デリヘルの電話番で、秋代(中村優子)はその店に努めるデリヘル嬢。
ある日道端で拾った石ころを「神様」に見立てて飾り、願い事をするようになります。

他の女性が生々しく描かれていることもあり、セクシーなシーンはありませんが、より一層「かわいく」見えます。

秋代(中村優子)

中村優子演じる秋代は夜の仕事(デリヘル)でお金を貯めています。一人で生きて一人でねるよう、マンションを購入するためです。墓の近くの借家に住み、ベッドの変わりに棺桶を使う徹底ぶり。飾り気のない水槽にポツンと一匹だけ買っている金魚は自分の投影なのかもしれません。

しかし、その半面ずっと思いを寄せる男性・菊地(安藤政信)がいて、一緒に飲みに行く友人の間柄。

その関係を壊すのが嫌なのか、敢えてだらし無い格好で眼鏡をかけるなどして会いに行くのです。「実家から野菜が送られてきたからあげる」という口実で、スーパーで野菜を買って会いに行くなど、意地らしい秋代。

秋代の設定年齢は20代後半といったところでしょうか。中村優子さんの当時の年齢はwikiのデータから逆算すると映画公開時で31歳でしょうか。

か、、かわいいいぃぃ、、健気~。

仕事の関係上、一番セクシーなシーンが多い中村優子さん。北野武監督の血と骨でも愛人役を演じ、ホステスの役やストリッパーの役作りでは実際にステージに立ったり接客をしたりしたそうですね。

今作ではどうかというと、思いを寄せる菊池と結ばれるシーンが一番エロ…素晴らしかったですね。酒に寄った勢い(確信犯)で。「あなたのことなんか好きじゃないから」なんて言っちゃって。

69のシーンがあったわけですが、これ、菊地の目の前にお花畑やんけーーー!!というね。男目線だとそんなゲスな感想も出てきてしまうわけですよ。改めて「男って嫌だな」と我ながら思いました。

ちひろ(中越典子)

OLの、ちょっと「重い女」といった役柄でしょうか。イラストレーターの塔子(岩瀬塔子)とルームシェアして一緒に住んでいます。仕事関係で知り合った永井(加瀬亮)と結ばれるも、「結婚」をチラつかせて引かれてしまいます。

男の心情的には分かるんですよね。別に嫌いじゃないし、もう少し付き合いたいけど「結婚」とかちらつかされてちょっと引いちゃったみたいな。客観的に見るともう少し時間かけて付き合えば・・・と思ったりしますが、もともと男の方も体目当てだったかも知れないので何とも言えませんね。

連絡の取れなくなった永井(加瀬亮)に会いに行き、「迷惑なのわかってるから」「世界一の恋愛をしたって思いたい」と、きちんと別れを告げてくれるよう詰め寄ります。

敢えてこういうキャラなんでしょうけど・・・イヤだなぁ^^;

塔子(岩瀬塔子 原作者・魚喃キリコ)

イラストレーターで、仕事ではある程度成功しているが、ストレスから過食症になるなど、追い詰められている描写も。

実は岩瀬塔子=原作『strawberry shortcakes』の作者・魚喃キリコ。これは映画を見終わった後に知ったのですが、デザインワークにも携わる筆者としては、クリエイターの辛さを表した演技には鬼気迫るものを感じました。

徹夜で仕事を終え、服を脱いで眠りにつくシーンがあるのですが、スマートな体が美しかったです。

魚喃キリコ
漫画原作者が主要キャストとしても登場している珍しい映画ですね。原作にも興味が湧きました。

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女性たちのリアル

いい映画でした。僕は普段、鑑賞する創作物に「日常」を求めません。しかし、
「神様」の存在
里子が祈りを捧げたことが本当になる
彼氏が欲しいと言ったら店長に告白される
んでほしいと願ったら店長が本当にんでしまう
など
登場人物たちの間接的な繋がり
秋代が落としたトマトを塔子が拾い作品のアイデアにする
紛失した塔子の作品を里子が拾う
など
漫画的な演出が程よくあり、ラストも4人の出会いを連想させる広がりのある非常に心地よいラストでした。

ラストへの流れ・交わる4人の運命

ラストまでの流れが秀逸。4人の幸せを願わずには居られない。いや、きっと幸せになるだろう。

秋代 里子

秋代(中村優子)は妊娠。
菊池が触った私の身体 誰も触るな・・・
好きな人と結ばれることで、自分を大切に思う心が芽生えたのでしょうか。
菊池に会い、好きだったことと感謝の言葉だけを告げました。

一人で生き、一人でぬことを望んでいた秋代も子供を産むことを決意し、海の見える田舎にいくことにしたのです。菊池(安藤政信)の子供だといいな。でも、きっと菊池と結ばれたことで、思いを告げられたことで、そんなことはどうでもよくなったのかもしれませんね。

んでしまった金魚に自分の過去を重ねるかのように包み、家を出ます。秋代に会いに行く里子。海で「神様」と、ラーメン屋に忘れられていた「神様の絵」を秋代(中村優子)にプレゼントします。

塔子 ちひろ

塔子がトイレで嘔吐する場面に出くわしたちひろは、はじめて塔子の弱さを目の当たりにし、抱きしめて一緒に泣いたのです。

永井(加瀬亮)を吹っ切ったちひろは、故郷に帰ることを決意し、せっかく確執の無くなった塔子にも別れを告げます。(でも新幹線の見送りで結局田舎まで一緒にいくことに。)

浜辺で出会う4人

実際に4人で会話をするといったシーンはありません。

ちひろの故郷の海に、秋代と里子も来ていたのです。この終盤の海辺のシーンが素晴らしい。セリフもみなさんの表情も生き生きしていて。

ちひろ(中越典子)
塔子も涙流しなさい

塔子(岩瀬塔子 魚喃キリコ)
あれ・・・あの絵・・・(二人を見つけて走り出す)

秋代(中村優子)
神様なんかいらないよ

里子(池脇千鶴)
恋でもしたいっすねぇ

身重でたばこなんて吸うんじゃない!(笑)
でもあまりにうまそうに吸うもんだから数年ぶりに煙草を吸いたくなりました。

映画はここでおしまい。

自分が心血を注いで描いた絵を見つけ、塔子はどのような反応をするのでしょうね。

4人で話し、笑っている情景が浮かびます。