ただのゾンビ映画じゃない。『カメラを止めるな!』ネタバレ感想。不満・違和感・苛立ちが全て爽快感に変わる超エンターテイメント作品。

2018.12.06映画あらすじ, ネタバレ・感想, 口コミ・レビュー, 無料あり, 解説・考察


予告映像の中で、監督が出てくる”劇中劇”であることは予告動画からも伺えました。でも正直「なんかメイクも雑だし演技も微妙じゃない?何がそんなに面白いの?」くらいに思っていました。

実際に観たらヤベー面白くてもう何度もリピートして一日中観てます。ほんと前情報なしで一回見て欲しい映画でした!!!

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できれば頭の中の記憶を消し去ってまっさらな状態でもう一回最初から見たい!
※面白さを語る上でどうしてもあらすじ+ネタバレ+感想にはなってしまいます。未視聴の方は作品を観てから感想記事を見た方が絶対楽しめると思いますよ!

冒頭37分『ONE CUT OF THE DEAD』映画本編

映画は劇中劇『ONE CUT OF THE DEAD』本編からスタートします。

劇中劇である事は公然の事実。それでも「は??」「へ??」「なにそれ??」というシーンがたくさんでてきます。

  • 不自然な間
  • セリフにしても面白味の無い会話
  • 重要そうなセリフの途中で「ちょっと」と言って抜け出そうとする役者
  • カメラ目線で「カメラは止めない!」と言う監督
  • いきなり倒れるカメラマン
  • いきなり大味になるカメラワーク
  • 長すぎる女優の悲鳴シーン(合間に聞こえるポン!ポン!)
  • 剥がれる傷跡メイク
  • 身を潜める女優の前に現れ、なぜかそのまま立ち去るゾンビ
  • 都合よく落ちてる斧
  • 「何あれ」と声をあげて立ち上がる、斧が刺さったメイクさん
  • 不自然に何度か停止するゾンビ

映画監督役 日暮隆之(濱津隆之)
メイク役 日暮晴美(しゅはまはるみ)
女優役 松本逢花(秋山ゆずき)
男優役 神谷和明(長屋和彰)
カメラマン役 細田学(細井学)
助監督役 山ノ内洋(市原洋)
録音マン役 ​山越俊助(山﨑俊太郎)

この配役、キャスト、映画が出来上がるのには全てに理由があったのです。


これ以降はネタバレになるので観ていない人は絶対に映画を先に見てくださいね!!
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中盤 映画撮影一か月前 監督の苦悩

『ONE CUT OF THE DEAD』でアツい映画監督を演じていた日暮(濱津隆之)は、俳優ではなく映像監督。しかし『ONE CUT OF THE DEAD』の監督と違って気弱で長いものに巻かれる性格。
早い 安い 質はそこそこをモットーに再現VTRやカラオケ映像などの撮影を中心に活動しています。

日暮の元を訪れる
ラインプロデューサー 古沢真一郎(大沢真一郎)
テレビプロデューサー笹原芳子(竹原芳子)
二人は新規で立ち上げるゾンビ専門チャンネルの開局スペシャルドラマを日暮に依頼します。

映画のテーマは「ゾンビもので・・・生放送で・・・ワンカット・・・」

神谷和明(長屋和彰)は言う事を聞かない売れっ子タレント
松本逢花(秋山ゆずき)は舐め腐った態度を取る若手女優「よろしくでーす」
カメラマン役の細田(細井学)はアル中
​音声役の山越(山﨑俊太郎)はデリケートな凝り性
助監督役の山ノ内(市原洋)は控えめすぎる気弱な青年

そして本来の 監督役 メイク役
黒岡大吾(イワゴウサトシ)
相田舞(高橋恭子)子連れ女優
が現れ、「ん??こんな人たち映画に出てないよな??」となるわけです。

さらには
腰痛持ちのカメラマン 谷口智和(山口友和)
妙なこだわりを持つ若手撮影スタッフ 松浦早希(浅森咲希奈)
などなど、クセの強すぎる俳優陣に日暮監督(濱津隆之)もほとほと困り顔。


監督である日暮(濱津隆之)もまた家族との関係性に悩みを持っているのでした。
映画監督志望で熱が入り過ぎて撮影現場をクビになる娘・真央(真魚)
元女優だったが役に入り過ぎるこどが原因で引退した母・晴美(しゅはまはるみ)
と、家族も個性的。妻の趣味は護身術「ポン!」

・台本の読み合わせ
・映画の打ち合わせ
・撮影シーンのチェックで実際の動きを確認したり
と、映画ってこうやって作られていくんだな~という新鮮さもありました。

イマイチまとまらない俳優陣に言う事を聞かない若手タレントたち。アル中ダメ人間 細田(細井学)に自分を重ね合わせ、置かれた境遇も相まって涙する日暮。

憧れの俳優神谷が父の監督作に出ることを知った娘は、母と結託して父の撮影現場を見学に行くことになります。


もう一度言いますがこれ以降は終盤の展開ネタバレになるので観ていない人は絶対に映画を先に見てくださいね!!
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そして終盤 全ての不満・違和感・苛立ちが全て爽快感に変わる

そして終盤に訪れるトラブル。
監督役の俳優とメイク役の俳優が交通事故で現場に来れない!
急きょ代役として監督役をやることになった日暮監督(濱津隆之)とメイク役をやることになった元女優の妻・日暮晴美(しゅはまはるみ)

全てのトラブルを書くことはしませんが、
不自然な間はカンペのせいだったり・・・
「ちょっと」と言って抜け出そうとする役者は脱糞寸前だったり・・・
さらに母・晴美(しゅはまはるみ)は役にのめり込み過ぎ、台本を無視して本物の斧を持って暴走を始める!

中盤での不安材料フラグがすべて回収される展開になりながらも、カメラを止めない!怒涛のワンカットゾンビムービーの撮影が開始するのです!

このプロセスが実にスピーディでハラハラの連続!だって生放送中なんですから!!

映画ってこうやって撮ってるんだ!!
ダミーの死体と俳優の入れ替えってこんな感じでやってるの!?
血糊ってこうやって飛ばしてるの!

などなど、映画を撮影している裏側を垣間見ることができて、今後観るゾンビ映画達がより一層楽しめそうだなと思いました。

37分ワンカットで映画を撮ることの大変さと、それを成功させる体験や一体感、ライブ感。これがこの作品の魅力の一つだと思います。

血糊がレンズに飛ぶのとかは演出ではなかったみたいです。そして、本当にメイクが間に合わなくてアドリブでつないでたシーンもあるんです(笑)

本作を実際にご覧になっても区別はつかないと思いますが、僕が脚本上で書いていたトラブルと、それとは別に現場でリアルに起きたトラブルが交じっているんです(笑)。ゾンビメイクが間に合わずに、キャストがアドリブでつないでいる場面は、本当にメイクが遅れてしまって、みんな必死でつないでいます(笑)。あとカメラのレンズ部分に血のりが付着してしまうんですが、あれもアクシデントでした。

この作業を6回やったというからスゴイですよ。

本番では37分間の長回しは6回挑戦し、最後までカメラを回したのは4回です。血のりで衣装が真っ赤になってしまうので、1日に2~3テイクやるのが精一杯でしたね。

引用:『カメラを止めるな!』に騙される人が続出中!? “新世代の三谷幸喜”上田慎一郎監督インタビュー より
https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_201806_post_166736/?p=2

転んだカメラマンを助けるゾンビのシーンがスゴイ好き(笑)
エンドロールはさらに撮影の裏側!という感じでこれまた楽しめます。

『カメラを止めるな!』ネタバレ感想 まとめ

一言でまとめるのが難しい映画ですね。

ワンカットもののゾンビ映画を撮る事になった監督が見舞われる苦悩とそれを成し遂げるプロセスが気持ちいい感動コメディ(親子愛あり)
といった所でしょうか(笑)

かさぶたの謎 役者ってスゴイ

一点だけ考えさせられたシーンに、『ONE CUT OF THE DEAD』劇中で傷跡(かさぶた)の特殊メイクを剥がすシーンがあるんですよね。劇中劇ではその部分をしっかりとクローズアップします。

元の劇中劇台本ではおそらく「噛み傷だったと思ってたけど特殊メイクのシールだった」的な演出があったのでしょうか。でも、実際は暴走する晴美(しゅはまはるみ)の誤解を解ける事の安堵が交じり合って・・・という演技なのでしょう。

ゲロを浴びる描写なんかもそうですが、目薬をささないと泣くこともできない新米女優が、トラブルのおかげで本当に死の恐怖や嫌悪感を感じることができた・・・という役をやっているわけですよね。(もちろん本物のゲロではないわけですから)

出演者全員に言えることですが、全員一人2役状態という所に役者の凄みを感じました。

劇中劇の最後の監督のセリフ。「できるじゃないか、その涙だよ」これは本編に入ってもおかしくないセリフではありますが、『ONE CUT OF THE DEAD』には入っていないです。これは日暮監督が心から役者にかけた言葉だったということです。(・・・という演技なわけですが(笑))

感動を押しつけない。観る人に任せる。

本当にスゴいと感じたのは、ここまで人を驚かせ、歓喜させ、感動させながらもそれらを深く掘り下げる描写がほとんど無いことなんです。

例えば父と娘の絆が根幹の一つにある映画なのに、“昔は親子仲が良かった”的な映像を出すわけではないんですよね。アルバムを見て、仲良くしている頃を思い出しているであろうシーンがあるだけ。
でもたったそれだけで、
幼き娘「私、パパみたいな監督になるの!ハイ!カットー!!」
若き父「そうだ、いいぞ!真央はきっといい監督になるぞ!」

成長した娘「お父さんみたいな監督にはならない!」
年を経た父「大人には大人の事情があるんだよ・・・」

なんて会話があったんだろうな~って想像できちゃうんですよね。

最後に一緒になってピラミッドを作り上げた俳優&スタッフ。そこには生意気な事を言って全然乗り気ではなかったイケメン俳優の姿もあって、エンドロールではみんなで”やり切った笑顔”を見せてくれるわけです。
しかし、「監督、オレこの映画に出られて良かったです!」みたいなセリフがあるわけではないんですよ。

様々な伏線、個性、エピソードをごちゃ混ぜにしながらも、肝心であろう部分は観る人に任せている所があるんです。そこに自由さというか、懐の深さを感じました。

最後にもう一度言いますができれば頭の中の記憶を消し去ってまっさらな状態でもう一回最初から見たい!
何度見ても新たな発見があって面白いのですが、最初に観て感じた驚きや感動をもう一度味わいたい!!でも一度見てしまったらもうそれは感じられない!!

まだ観ていない人が羨ましい!!
ここまで感じさせてくれる映画は初めてだと思います。映画ってまだまだこんな新しいものを生み出せるんですね。すごいなぁ。

観てない人は是非一度、もう観た人は是非もう一度、『ONE CUT OF THE DEAD』『カメラを止めるな!』を観てみてくださいね。
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本ページの情報は2018年12月5日時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認下さい。

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